ダンボール:Doneball

ダンボール:Doneball
ドッジボールの元となった球技のこと。または、そのボールを収める箱。

1.ダンボールのおこりと伝播
元は中世ヨーロッパの北海沿岸地方の狩猟民族の間で広く行われていた球技。トナカイの皮を縫い合わせた直径25~30センチメートル程のマリに水鳥の羽毛をつめたボールを用い、20~30名で2陣に別れボールをぶつけ合う。
18世紀ころ、オランダから北米やアジア・アフリカへ広く伝わった。この際、ダッチボールと称された。

一方、日本へは江戸末期にオランダ人船員が遊戯として、また明治初頭に技術指導に来日したイギリスの工学博士らが持ち込み、ダンボールを体育として陸軍や大学等で実践しようとした。しかしながら、当時の日本ではスポーツをする習慣が無く、また、オランダ人が持ち込み関西で民間に浸透していたドッジ(Dutch:オランダ人の)ボールの方が戦前の衰退期を経て市民権を得る。

2.呼称の変遷
イギリス人がダンボールを持ち込んだ際に、ボールを6個収められる箱を用いたが、それを何かたずねた日本人にDoneBallと答え以降、その箱のことをダンボール(箱)と呼ぶようになった。
大正までは、ダンボールとケースは明確に区別されていたが、戦後の復興期に、スポーツとしてのダンボールは、進駐軍のイギリスへの対抗意識もあってドッジボールと呼称され、旧文部省で正式に小学校の体育指導科目名としてドッジボールが用いられるようになると、箱の方のみをダンボール(THE BOXと発音が似ていたとの説もある)と呼ぶようになった。